お雛様の菱餅にはどんな意味がある!?改めて知る色や形の起源に驚き!
3月3日はお雛祭り。
女の子の成長を願う特別なお祭りですね。
子どもの成長と幸せを願ってお祝いをします。
お雛祭りの起原は、奈良時代に紙や藁で作った人形(ひとがた)をお祓いの儀式に使われる人形信仰からだと言われています。
そして平安時代になって、貴族の女の子たちが紙で作った人形を紙の御殿で遊ばせる「雛遊び(ひいなあそび)」が流行り、この二つが癒合して今の雛祭りになったと言われています。
現在のお雛様の形となったのは江戸時代からですが、当時は男雛と女雛の1対を飾るものだったそうです。
時代とともに五人囃子、三人官女、随身、仕丁が考案され、お嫁入り道具も増えました。
7段飾りに雛人形が15人にと、立派な雛壇飾りになったのは江戸時代後期頃のようです。
ところでお雛様が1対の頃から一緒に飾られていたものが何か知っていますか?
それは菱餅です。
当時は菱形ではなく、三角の形をしていて緑色と白の2色だったと言われています。
そこに桃色が加わって3色となり、現代では5色の菱餅が飾られる家もあります。
そこで今日は、そんな古くからお雛様の飾りとして用いられている菱餅の意味や形について紹介したいと思います。
菱餅はどうして5色なの?その色に込められた意味とは?
菱餅の色は決まっていて、5色の場合は白、緑、桃、黄、橙、3色の場合は白、緑、桃です。
それぞれの色にはきちんと意味が込められています。
緑色は草木が芽吹く大地を表していて、ヨモギを入れて緑色を作っています。
ヨモギには邪気を払ったり魔除けの効果があります。
緑色には病気をしないで健康に育ってほしいと言う願いが込められています。
白色は雪を表していて、何色にも染まらない清らかな意味を表していて、菱の実を入れて作っています。
菱は湖面いっぱいに広がって生殖する植物で、その生命力と繁殖力をあやかり子孫繁栄・健康長寿の願いが込められています。
桃色は桃の花を意味していて、クチナシの実が使われています。
クチナシには解毒作用や魔除けの効果があります。
そして橙色は太陽を表し、黄色は月や菜の花を意味しています。
この2色は近代になってから増えた色のようです。
草や実から色を入れるのではなく、食紅を使っているようです。
太陽や月の光を浴びて恵みがあるようにと言う意味が込められています。
菱餅の並び方は上から 橙色・黄色・桃色・緑色・白色になります。
緑色と白が逆の場合もあります。
並び方の解釈は、
「太陽(橙色)と月(黄色)の光を浴び、雪(白)の下から新芽(緑)が顔をだし、その新芽から桃の花(桃)や菜の花(黄)が咲いている」
と言う意味の順番になっています。
新芽を子供に例えると、子供が元気に成長していくさまを表していいるように思えますね。
菱餅の形は文字通りの「ひし形」その形になった由来とは?
菱餅の起原は最初に書きましたが、白と緑の三角形のお餅でした。
なぜ「ひし形」になったのでしょうか?
所説ありますが、ひし形は風水では心臓の形に似ていると言われ菱形になったという説。
女性を象徴する形に似ているともいわれ、子孫繁栄を祈願する意味で菱形は縁起の良い物とされていたという説。
菱形は菱の実を表していて、菱の実は災難や災害から守る身代わりとして使われていたため菱の実が菱形のお餅となったと言う説。
室町時代に足利家が幕府の安泰を祈願して正月に食べるお餅が赤と白の菱形だったことから菱形になったと言う説。
どの説も納得できますね。
菱形は縁起の良い形だったのです。
さて、飾った菱餅ですが、食べる時は角をちぎって丸くしながら食べるのが縁起の良い食べ方です。
「角を立てずに丸く生きる」
といった意味合いで、人付き合いのトラブルを起こさないよう穏やかに過ごせるようにという意味が込められています。
食べ方は特に決まりはありませんが、色のついたお餅なので乾燥させてから割って油で揚げて「おかき」にして食べてみてはいかがでしょうか?
ひなあられみたいでお勧めです。
まとめ
お餅を使った菱餅を飾る家庭が少なくなってきました。
お餅で作った菱餅は飾った後に食べる時、そのまま食べられないので少し手間がかかります。
そのため、最近はプラスティックの菱餅を飾ったり、菱形のお菓子を飾る家庭が増えてきています。
今年は菱餅の意味を子供に話しながらお雛飾りをして、終わったら、おかきにして食べてみてはいかがでしょうか?
菱餅に込められたご利益がありますように。